dermatology report

毛包虫症



はじめに

毛包虫症は、ニキビダニなどの虫が犬の毛包や皮脂腺に寄生・増殖し、炎症を起こすことにより脱毛や発赤が現れる病気です。これに細菌感染が加わると膿皮症を併発することもあります。

毛包虫はほぼ毛包内で過ごし、1本の毛穴に数匹生息するといわれています。毛包虫は肉眼では確認できないほど小さく、ほとんどの哺乳類の皮膚に常在しており、寄生する動物の種類によって毛包虫の種類も異なります。例えば、犬に寄生している毛包虫は猫には寄生しません。

毛包虫症の症状

毛包虫症になると、発赤や脱毛が起こります。特に目の周りや口周り、足先の脱毛が初期にはよく見られます。悪化するにつれて、強い痒みや全身の脱毛、特に細菌感染による皮膚のただれ、出血などが見られます。

毛包虫症の原因

毛包虫は子犬が生まれた後に毛包虫を持っている犬と接触することで感染するといわれており、1歳未満の若齢犬での感染が多くみられます。

毛包虫はもともと毛包に常在する寄生虫なので体調に問題がなければ増殖することはありませんが、何かしたのかたちで免疫力が低下したときに発症します。

1.幼犬の場合:未熟な皮膚バリア、環境に対するストレス、栄養不足
2.成犬の場合:ステロイドなどによる誘発、ストレスなど
3.老犬の場合:腫瘍、クッシング症候群、糖尿病、甲状腺機能低下症、加齢による皮膚バリアの衰えなど

毛包虫症の予防

このように毛包虫は常在している虫であるため、免疫を高く維持することにより感染のリスクを下げることができます。例えば、清潔に皮膚を保つこと、ノミダニ予防、きちんとした栄養管理などの方法で良い健康状態を維持しましょう。

毛包虫症の治療

幼犬の場合の場合は、免疫が高まると自然に治癒することも少なくありません。その場合、投薬せずに皮膚の状態を清潔に保つことで治療を行なっていきます。幼犬でも症状が酷い場合は投薬による治療を開始します。
続いて、成犬、老犬の場合は投薬治療を行います。イベルメクチンやセラメクチン、フルララネルなどの成分が入った薬を用います。イベルメクチン製剤に関してはコリーなどに対しての使用の注意が必要になります。老犬の場合は、原疾患の影響で免疫が下がっていることも考えられるので、その原疾患を見つけることも重要になります。

毛包虫症以外だけでなく、様々な原因が重なり、皮膚病が悪化していることも少なくありません。
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